【関西数店舗展開のカフェ様】海老トマトソースのOEM・PB商品開発

2016年05月31日

海老トマトソース PB

関西地方を中心にカフェを数店舗展開されているオーナー様から店舗で使用する海老トマトソースのOEM・PB商品開発の依頼がありました。 カフェのフードメニューにある海老トマトソースパスタはお店の看板商品であり、絶対的な人気を誇る商品でした。しかしこのソースは非常に手間のかかる作業でもあり、従業員の方の仕込み負担も大きいものでした。オーナー様から「この負担をなくしてあげたい」という思いやりと「今後のさらなる店舗展開に向けて看板商品の味の統一化をはかりたい」という決意を受け、開発を一緒に取り組みました。

仕込みの大変さ

単に海老トマトソースといっても多様な種類があり、クリーム系やさっぱりとしたトマト系など幅はたくさんあります。今回はその中でもオマール海老をふんだんに使用した濃厚なソースでした。仕込みで何が大変かというと海老の頭をまるごと数時間煮込み、エキスを十分に出すことです。従業員の方が鍋に付きっきりで数時間煮込みます。またオマール海老の頭の中には濃厚な旨味が多く含まれているためそれがこのソースの生命線なのです。そうして取った出汁には当然多くの殻が含まれます。それを数回に渡って濾す作業が入り、そのあとようやくトマトペーストなどと合わせてソースにするのです。

食品工場で思い描いた商品がPB商品化できない理由

上記のような工程をし、商品化できるような食品工場はなかなか存在しません。その大きな理由は2つあります。第一に工場は決まった製造ラインや製造機械に合わせて製造するため、「設備」に「商品」を適合せざるを得ないからです。よほど製造ロットが大きくない限り特別な製造ラインは組めないのです。第二に工場は仕入負担軽減のため材料は極力少なくしたいがために自分たちが既にもっている材料の範囲で味の再現をしようとするからです。味は非常に複雑なため違う材料で味を再現する事は困難なのです。

「工場」ではありません。「調理場」です

私たちは製造現場を「工場」ではなく「調理場」と呼んでいます。上記のような作業工程を大量生産現場に転換し、製造工程を組みました。 お店の現場と同じようにオマール海老の頭を鍋で約2時間煮込み、じっくりエキスを抽出します。釜の機械の中にある羽根だけでは十分に混ざらないため人の手も使って出汁を取っていきます。さらにその後、海老の頭に残ったミソや旨味を手でひとつずつ取り、最後の最後まで旨味を無駄にしません。その後シノワと呼ばれるこし器で海老の殻を取り除き、別の釜でトマトペーストや調味料などと混ぜ合わせて完成です。これによりオーナー様も驚かれるような再現性と品質を実現する事ができました。「他の業者にも何社か依頼したけど、無理だった。これができるのは御社だけだよ」という有り難いお言葉を頂戴しました。価格に関してもガス代や人件費などトータルで考えると現場で作るのと大差ない所で仕上がり、非常に喜んで頂きました。

PB商品化の効果

今の飲食店には目玉となる商品が必要不可欠です。他のお店との差別化ができる商品がお店の運命を決めると言っても過言ではないのではないでしょうか。 しかしながらその商品が複雑化すればするほど現場でのオペレーションにはブレが発生し、それを防ぐために単一化された材料を使用したり、ありふれているソースを使用するため同じような味になってしまうという悪循環が起こります。 この商品は絶対守りたいという商品があれば、多くの負担軽減の点からぜひともPB商品化をお勧めします。そしてその際には光熱費、人件費など数字的な負担の軽減もそうですが、何より従業員の方の作業負担や気持ちの面でのメンタル要素にも影響する事を考えて頂きたいと思います。 現場で作る商品とOEM開発・PB商品化する商品とを見極め、お客様にとって一番良い形で商品提供できることが最も大切なことだと考えています。

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