【福島県の飲食店様】通販用・テイクアウト用のオリジナルカレーPB委託製造依頼

2021年07月16日

スパイスカレー

 コロナ禍で飲食店は新たな販売経路を模索しています。
既存のイートインだけでなく、テイクアウト、デリバリー、自社サイト・ポータルサイトを通じての直販とさまざまな販売経路を利用しながらのDX戦略が必須な時代となりました。
 その中で福島県の飲食店様からご自分のお店で提供されていらっしゃる
スパイスカレーのPB委託製造依頼がありました。通販で新たに販売すると共にフードトラックでも販売して両方で使用できるカレーを作ってほしいというご依頼でございました。

カレーは香りが命

 近年、カレーのカテゴリとして新しく登場している「スパイスカレー」
これは小麦粉で粘度をつける従来のカレーとは違い、スパイスの香りを生かしてつくるカレーです。お店で提供するには比較的安易につくれるのですが、
「工場で大量に製造する」となると話は違ってきます。それは以下のような点が既存の工場だと困難であるからです。

・工程手順やレトルト殺菌によって香りが飛ぶ
・テンパリング(油でホールスパイスを炒め香りを移すこと)の作業が難しい

 工場では大量カレーを仕込んで製造するため、飲食店の手鍋で繰り広げられるような詳細な手順を踏むことは困難です。そのため「スパイスを入れて泡がこのような状態になったら鶏ガラを投入」「玉ねぎの色がだいたいこれぐらいの色になったらトマトペーストを入れる」など調理場ではよくある言語や手順は工場では通用しません。

 スパイスを投入するタイミングは工場の都合であったり、手順も工場の設備の都合で変わることがあり、味にも影響したりします。さらにレトルトの商品になると殺菌温度が120℃前後になるためスパイスの香りが確実に飛んでしまい、
なかなか思うような香りが出ない商品になってしまいます。

 またテンパリングの作業もなかなか困難です。飲食店の手鍋では簡単な事なのですが、食品工場ですと「直火釜」ではなく「蒸気釜」を採用しているところが多いのです。そのため火力が弱く、テンパリング自体ができない所も多いのが現状です。さらには工場の設備だとテンパリングだけを別の釜で用意し、2つの釜を確保することになるため生産の都合上厳しいといった問題も出てきます。

以上のような理由で、飲食店の味を工場での製品に落とし込むことは難しい上、
さらにスパイスカレーはハードルがグッとあがるのが現況です。

困難を乗り越えて

 上記の状況下で今回の依頼ではスパイスの香りを生かすためレトルトではなく冷凍でお作りをしました。また手順や工程も詳細にヒアリングをさせていただき、なるべく普段行っている手順通りに材料の投入や状況の移管を行いました。

 さらにはテンパリングの部分においても弊社では小型ですが直火釜を設備しているためこの作業工程部分だけ直火釜を利用してうまくホールスパイスの香りを移すことに成功しました。そして辛さの調整を2度ほどさせていただき、試作品3回目でご納得いただける味に仕上がりました。

 今回は通販用兼フードトラック需要ということで200gタイプの個食で充填をさせていただき、お客様にも満足いただける商品が出来上がりました。通販のご注文の方も非常に好調のようで定期的に発注をいただき我々も誇りをもって製造をさせていただいております。

 最近は上記のお客様のように個食での委託製造依頼が多いです。現場の味を再現したく、外販に迷われている方もまずはご相談いただければと思います。

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